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8月の文豪カクテル◆トーマス・マン

アッシェンバッハは、すでに度々感じたように、言葉というものは、感覚的な美をほめたたえることができるだけで、それを再現する力はない、と苦しい気持で感じたのだった。(ヴェニスに死すより抜粋)

 

8月の文豪カクテル
トーマス・マン

『Tadzio / 理想の美と死の香り 』

(レモンとズブロッカのシャーベット プロセッコ仕立て)

ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画でお馴染み、トーマス・マン原作の『ヴェニスに死す』。

ギリシャの美を体現したかのような端麗無比の美少年と出会い、老境に達した芸術家はいっさいの実生活的な節度と自制をうしなっていく….

倒錯をにおわせる純情な愛、永遠と神秘さえ感じるマンの傑作です。

レモンピールとレモン果汁、ミルク、ズブロッカを使った自家製ソルベに、プロセッコで仕上げた大人のデザートカクテルです。

物語に登場するタージオはポーランドの貴族の息子。

それにちなんでポーランドのハーヴィーなウォッカ、ズブロッカを使用しております。

レモンピールのほろ苦さとミルクの甘み、ズブロッカのハーブの風味が層をなした、爽やかながらも深みある味わい♪

そしてプロセッコはヴェネト州の地酒。

ヴェニスを訪れた老作家とポーランドの美少年の出会いを、厳選した素材と味覚で表現しました。

ミステリアスな香りのアニスと、すっきりとしたミントがアクセント!

8月末までの限定メニュー。夏らしい味わいをご賞味くださいね♪

 

十誡

NEW!文豪モクテル◆宮沢賢治『星めぐり』

ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点の青白い微光の中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。

「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ」

カムパネルラが、窓の外を指さして云いました。
線路のへりになったみじかい芝草しばくさの中に、月長石ででもきざまれたような、すばらしい紫のりんどうの花が咲いていました。

「ぼく、飛び下りて、あいつをとって、また飛び乗ってみせようか。」ジョバンニは胸を躍らせて云いました。

「もうだめだ。あんなにうしろへ行ってしまったから。」

(銀河鉄道の夜より抜粋)

 

 ◆8月の文豪モクテル◆宮沢賢治 「星めぐり」◆

(自家製星屑寒天のヴァイオレットトニック)

文豪カクテルに続き、カフェタイム限定の文豪モクテルはじめました!

モクテルとは、Mocktail=mock(まがいもの、偽の)+cocktail(カクテル)。つまりノンアルコールのカクテルのこと。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、ロンドンをはじめ、海外では浸透している、見目麗しいおしゃれなドリンクです♪

今回は宮沢賢治の不動の名作、『銀河鉄道の夜』をイメージしたロマンティックなモクテル。

自家製ラベンダーシロップを加えた甘酸っぱい寒天に、煌々と輝く銀箔の星々をぎゅっと閉じ込めました。

夜空を凝縮したかのような、深い紫色のヴァイオレットシロップを加え….

星屑を含んだ寒天にトニックウォーターを加えると、キラキラと沢山の星が水面に浮かび上がります。🌟

グラスに収まった小さな小さな銀河です。

カムパネルラとジョバンニがりんどうの咲き乱れる線路わきで見上げた、美しい星空に思いを馳せながらお召し上がりください。

 

こちらはカフェタイム限定メニュー★

15:00~18:00までにご来店いただいたお客様のみご注文いただけます。

※バータイムにはご注文いただけませんのでご注意ください。

 

明日火曜日より提供開始。ご来店をお待ちしております!

 

十誡