待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな
（宵待草）
８月の文豪カクテル
竹久夢二『恋詩(こいうた)/待てど暮らせど来ぬ人を』
（国産シードルのフルーツポンチ大正ロマン風）
８月の文豪カクテル２つ目は、竹久夢二の「宵待草」から着想を得た夏らしいカクテルです。
恋多き人物であったと知られる夢二。「宵待草」は実ることなく終わった一夏の恋を謳った詩です。
国産のシードルにパイナップル、シャインマスカット、ブルーベリーを漬け込んだサングリアスタイル。ご提供前にモチモチの白玉と自家製寒天を加えて…
昔懐かしい真っ赤なチェリーと、アクセントのスダチを加えました。
金魚鉢のようなまん丸グラスの上にちょこんとグラスが鎮座。たっぷり入ったカラフルなフルーツを木のさじですくってお召し上がりください。
涼を感じる大人のフルーツポンチで暑気払い♩８月末までの限定の味わいです！
十誡
アッシェンバッハは、すでに度々感じたように、言葉というものは、感覚的な美をほめたたえることができるだけで、それを再現する力はない、と苦しい気持で感じたのだった。（ヴェニスに死すより抜粋）
8月の文豪カクテル
トーマス・マン
『Tadzio / 理想の美と死の香り 』
（レモンとズブロッカのシャーベット プロセッコ仕立て）
ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画でお馴染み、トーマス・マン原作の『ヴェニスに死す』。
ギリシャの美を体現したかのような端麗無比の美少年と出会い、老境に達した芸術家はいっさいの実生活的な節度と自制をうしなっていく….
倒錯をにおわせる純情な愛、永遠と神秘さえ感じるマンの傑作です。
レモンピールとレモン果汁、ミルク、ズブロッカを使った自家製ソルベに、プロセッコで仕上げた大人のデザートカクテルです。
物語に登場するタージオはポーランドの貴族の息子。
それにちなんでポーランドのハーヴィーなウォッカ、ズブロッカを使用しております。
レモンピールのほろ苦さとミルクの甘み、ズブロッカのハーブの風味が層をなした、爽やかながらも深みある味わい♪
そしてプロセッコはヴェネト州の地酒。
ヴェニスを訪れた老作家とポーランドの美少年の出会いを、厳選した素材と味覚で表現しました。
ミステリアスな香りのアニスと、すっきりとしたミントがアクセント！
８月末までの限定メニュー。夏らしい味わいをご賞味くださいね♪
十誡