イリナ・イオネスコ写真展

鏡越しの幻影たち

会期:2017年4月25日(火)~7月16日(日)

 

白い肌を際立たせるレースを纏い、深い陶酔に身を任せ、鏡の中の神殿に繋ぎとめられる永遠の乙女たち。

過剰に装飾が施された舞台装置の中央で寛ぐ、オブジェのようなその美神は、挑発するように、追懐するように、見る者の欲望を視覚化させる。

 

イオネスコは自らの作品を「鏡」であると言明する。鏡越しに照り返されるものは自分自身であり、かつての若き肉体であり、遂には母親の姿である。

世界が鏡に映し出されたとき、創り上げられた幻影は奥行きを失い、定着される。それは誰も入り込むことが出来ない、幽閉されたイマージュの楽園である。

 

 

 

BAR十誡「秘密の小部屋」にて、フランスの女流写真家、イリナ・イオネスコの写真展を開催します。

1998年に制作されたイオネスコ自選のポートフォリオ[Porte Doree]からセレクトされた16点を展示いたします。秘蔵のコレクションをどうぞお見逃しなく。

 

 

◆イリナ・イオネスコ

1935年パリに生まれる。

幼年期をルーマニア・コンスタンツァで過ごした後、再びフランスに戻る。1965から写真を撮影し始める。1977、娘であるエヴァ・イオネスコをモデルに写真集「鏡の神殿」(Temple aux miroirs)を発表しセンセーションを呼ぶ。